結局なんだろう?誤字が多い本だった。駅前の本屋では、平積みなようだが。異国に憧れる、日常に嫌気がさして来たサラリーマンには、こんな本も良いのかもしれない。何も考えずに読める。しかし、どっかで聞いた話、情報だよって思うのも多い気がする。
“世界視点から日本”って言うテーマの本は今流行なのか?売れ筋なのか?この活気のない出版業界にあって、ドル箱なのだろうか?ランキングに沿って、作者の考えや、経験などを淡々と語っていく感じの本だが、そのランキングの情報源もどうか?と思ったりもしたり、、、作者の生き様を知るには面白い本ですが。これで、日本の世界の位置が確かめられるとは、到底思えない、訳で、この本に期待するのは、酷である。そんな本でもないだろうし。
この著書(ルーマニア・マンホール生活者たちの記録)で、ルーマニアで現地取材した経験があると言う、変り種。それに興味を持って、先の書籍を読む前に、今、少し話題のこちらから呼んだ。日本人に対する他の国の人が持つイメージの個所で、所々、ルーマニア人の話が出てくる。ある意味、私も、何がそうしたのか?自分でもあの時期のことは定かではないが。(ある意味、9・11の事件以来、世界はどんなもんなんだろうと、何所でも良いから行きたかったかもしれない)そして、ルーマニアに数週間滞在した。ブカレストからオンボロ列車で、数時間行った場所で、見知らぬ白人、イギリス人(頼りない30歳後半の電気技師らしい、リバプール出身、スティーブ、如何にも英国人ぼい、50歳前半の厳格なバツ2、ジョン)スウェーデン人(二人とも、アイリーンと言う、20歳前半の若いヒッピー系ベジタリアン女性)と生活を共にしていた。本当に名もないちっぽけな場所での共同生活。観光も何もしない、海外旅行。ある意味、良い経験だった。
著書に出てくる、ジャポネーゼのルーマニアでのイメージは、やはり、ハイテク、お金持ち、忙しい。忙しいは、通勤ラッシュの話が出て、駅員に電車の中にところてんのように押し込まれる状況をしきりに、感慨深げに僕に喋って来た。ストリートチルドレンの高齢化は、その当時の問題だったし、駅にたむろする、暗い影は、観光客に少し恐怖心を植え付ける存在で、共産時代の負けの遺産を醸し出していた。今のルーマニアはどないなんやろう?EUに参加することで、急速に近代化に乗り出し、付いてこれない人々も多いと聞く。イラクの多国籍軍への参加を真っ先に表明した、ある意味、他の東欧各国のアメリカ寄りの姿勢に追随する。
皆、あの革命が良かった、ありがとう資本主義なんて思ってない。現在でもその政治姿勢は怪しい、きな臭い物だし。唯一、良かったのは?世界的に(日本人的に)ルーマニアと聞いて、浮かぶイメージに、血生臭い革命が浮かぶことで、コマネチや、ドラキュラよりも、少し現実的な印象に貢献したことぐらいか?(笑)
しかし、何故?ルーマニアが日本の世界的イメージの例として、語られるのか?少し、違和感はあるが、ある意味、面白い。結局、アメリカ人よりは、適切な世界感を少しは持ち合わせているに違いないからだ。(皮肉)
軽く読める内容だが、奥は深いような気がする。ちょっと見方を変えると、NHKロンドン支局の特派員時代の筆者の、英国メディアの重要な位置を占めるタブロイドに思いを馳せる、回想本だと思ってしまう。御高いジャーナリズムなぞ、案外薄っぺらな幻想で、市民が楽しみにしているゴシップにあると言う原点を思い起こしてくれる。(笑)その意味で、ジャーナリズムの正義なぞ、薄い物かもしれない。ベッカムネタはこの本では、旬なので入れておくべき項目なのだが、少し尻切れトンボな感じがする。レベッカルイーズのその後は、リアルTV出演での豚のマスターベーション。母国オランダでのTVプレゼンターの失敗。売名行為タレントとして、英国のセレブ界に必死に残ろうと話題作りに試行錯誤である。(笑)その後、ベッカムネタは、タブロイドの購買マシーンとして、機能してるのか?と尋ねられると、少し考えてしまう。もう、一通りのネタが出尽くした感じがしないでもない。基本的に、サンは下品で嫌いだと言う管理者の見解はこの本で一層強くなった。(笑)しかし、現在のミラーの地味な姿勢とは裏腹、かつては栄光を楽しんでいたとは、知らなかった。フォークランド紛争への記事は、まさに、サンお得意な見出しだ。戦争の機関紙として、その重要な機能を果たすサンの伝統は、湾岸戦争、イラク戦争でもそのスタンスは変わらないのだが、あんまり頭が良い人が読む物ではないと思うので、拒否反応を起こしてしまう。最近の高級紙タイムズの没落振りは、マードックメディアとして、仕方がない結果ではあるが、彼が、英国のメディアを牛耳っていることには変わりはない。共産主義ベッタリではないが、ある程度社会性がある、ミラーの方がタブロイドの王道を行ってるサンよりかは、好感が持てるだけである。
因みに、サン紙とリバプールサポとの犬猿の仲は、有名だが。そこでも、サンの下品さが如実に現れている。(笑)詳しくは、ヒルズボロの項目を参照。
昨年、世界中が熱狂した、WCが終わって、メディアの旨味だった、某選手も引退。現代表監督の、海外でプレーイコール、代表に最も近い道と言う概念の否定。果たして、昨今、欧州フットボールは、日本のメディアにとって美味しいネタなのだろうか?最近、このような、スタジアムガイドブック?エッセー的な本を手に取ってみた。初版が、八月十日となっているから、WC後の大会フォロワーの欧州フットボール観戦需要を見込んでの物に違いない。結局、エッセーだけにするべきだ。誰も、これをみて、スタジアムのアクセスを参考にする筈がない。欧州の交通アクセスは、一筋縄ではいかない。(笑)ある程度の知識を入れ、ブッツケ本番みたいな面が多々存在する。どうしても入れたいのなら、後に注釈で入れるべきだ。このアクセスの行を除外すると、其のクラブの簡単な歴史、作者の其のクラブにまつわる体験談などが、あるが、どうだろうか?ビギナー向けの女性なら、この記事でOKなのだろうけど。欧州フットボールにある程度精通している族なら、スペインのバラバラな国民性、オランダフットボールのパーティーアニマルな一面。ドイツの文字通り、イモ的価値観など、理解の上だ。
タイトルがタイトルなので、仕方ないか?イタリアフットボールの闇の部分なんて、書いても、何ページあっても、きりが無いし。無くても、イタリアの景色を堪能する一部分として、刈るチョーを楽しめば良い的なスタンスはあっても良いし。女性一人でもダイジョーブなどとあるが、世界では珍しい、女性のフットボール観戦と言う提案を勧めるメディアも珍しい。(笑)ある意味、欧州フットボール観戦に足を入れる人種は、2月の観光シーズンオフの時期に、丁度、そのトーナメントが白熱する、CL観戦の為に、激安航空券片手に乗り込む、学生。そして、観光次いでのOL以外いないと言うことなのだろうか?その裾野は、意外と狭い訳である。(笑)
少し、古いが、十分に使える、欧州観戦の為のバイブルは、欧州サッカー60都市現地観戦ハンドブック2000 ヨーロピアンフットボール (新書) だと、思っている。(笑)
この時折、小馬鹿にしたような、皮肉めいた文面は、向こうの記事を直接翻訳したからに違いない。時折、少し、理解不能な面もあるが、ある程度の欧州フットボール通なら、ブッと噴出すこと間違いない。こういうフットボールカルチャーは、まだ日本にはないのか?
最初に挙げた本は、スタジアムで東洋人が触れた感動的なエピソードなど、フットボールを通じての異文化交流を綴っていたが、それもマンネリ。ある程度の知識でもって、グッと込上げるニヒルな笑い。そんな文化が、フットボールにはある。特に、筆者は、英国フットボールの封鎖的な面を強調していたが、それは、彼等のフットボールはIN的な物で、決して、OUT的な物ではないからだ。
最後に気になったので、書くが。最初に挙げた本の作者は、ヘイゼルやヒルズボロをリバプールサポが引き起こしたと、書いてある。この文面は、やや配慮に欠ける。この本を英国で出版したなら、マージーサイドの書店は置いてくれないだろう。(笑)フットボール書物を書く場合、偏った観点から書いてしまう。それは、仕方がない。公平なメディアなんて、元来存在しないのだから。
WCドイツ大会を観てる。相変わらず、イングランドサポは愉快だ。あれをフーリガンとして扱うなら、それは、英国の男性皆総フーリガン化とでも言う必要に駆られる可能性が生まれる。(笑)巨大な組織になると、それはそれで、ただ、強いチームが勝利すると言う、完全な実力主義と違ってくるのは、どこの社会でも同じだ。今回の大会も、ある意味その種の思惑が多分に感じられる。書店にたまたまいって、何気なく文庫本のコーナーに行ったら、こんな本が目に入った。少し読んでから購入することにする。巷に溢れる、WCフィーバーで即席に作られた、本の数々とは少し違う感じがする。あの手の本は、フットボールと言う宗教的な要素が殆んど感じ取れない。ある種、戦術があれこれとか、どうでも良い物で、そんなものがあるからといって、決してジュールリメ杯は手に入れられない。フットボールには、人間臭さが必要なんだよと言ってる数少ない本だと思う。最近のFIFAは、綺麗な大会にしたいらしい。其れは其れで良いが、他のスポーツでして欲しい。私達のフットボールは、そんなものじゃないのだから。